甘南備山逍遙にようこそ
甘南備山逍遥  薪(たきぎ)から興戸(こうど)へ 2000.10.11  更新
薪地区の稲刈りと甘南備山
 先日京都新聞のシンポジウムで、南山城の古代をテーマにした講演を聞きました。森浩一先生がメインゲストです。その中で驚いたことに、この甘南備山の麓の谷あいの薪地区に、継体大王の宮があったという問題提起がなされたのです。継体大王が北陸方面からこちらに進出してきて、最初の宮が樟葉で、その次がこの地だというのです。綴喜の宮(字は違うかもしれません)。日頃私達が歩き回っているところじゃないですか。確かに、木津川にも近く、水運に好都合です。周りには古墳もあって、立派な埴輪が出土しています。全く素人の私はすぐにこの話を信じてしまい、なんだかとても嬉しく思いました。 甘南備山と稲刈り
興戸地区のコスモス
 さて、今日は薪から甘南備山の麓をかすめ、京奈和自動車道の側道を通って、興戸まで歩きます。木萩が満開できれいです。コスモスが畑に植えられていて、これも満開です。土壁の立派な農具小屋があって、小川が流れる横には柿が実っています。なだらかな丘陵の間に畑が点々と続いています。 コスモス納屋
大池のヒシ
同志社大学から北に下ってきたところに、酒屋神社という小さなお宮があります。その辺りには大小6つのため池があり、フライフィッシングをしている人が沢山見られます。写真はその中の大池から、同志社大学の方を見たところです。池には「ヒシ」がたくさん生えています。こういう風景はとても好きです。(ところで、ヒシはどんな花をいつ咲かせるのでしょう。誰か教えて。)
 ところが、そのすぐ近くに、ほんの半年前までは気が付かなかった、道路工事が始まっているのです。この辺りで山手幹線と言っている道路の延長工事です。こんなところに通るとは知りませんでした。
大池の菱
山手幹線道路工事(旧道が切り通しの斜面で切れているのが見える)
 その工事のおかげで、予定していた帰り道、(竹やぶの中の道です)が通れません。新しい山手幹線がものの見事に、山ごと削り取ってしまっているのです。(写真中央の斜面にバリカーがあるところがもともともの道の断面です。)なんと悲しい光景でしょう。道路が通ることによって、沿線の開発の圧力はいやがうえにも高まるでしょう。菱が覆う池も、小川と立派な農具小屋も、竹やぶも、あっという間に見られなくなってしまうのではないでしょうか。それに、この山手幹線は薪地区の中央を貫いていく予定です。ちょうど丘陵部から平坦な所になったところで、万一継体大王の宮殿跡を、それとは知らぬ間に壊してしまうのではないでしょうか。発掘調査などは行われるのでしょうか。
 なんだか重い足取りのウォーキングになってしまいました。
山手幹線道路工事
これまでの三回を読んでいただいた方は、私達が文句ばっかり言いながら歩いているように思われたかもしれませんね。そういうことはないんです。たまたまです。次回は楽しみだけのお話にします。
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