甘南備山逍遙にようこそ | |||||||
甘南備山逍遥 扇池 | 2001.6.3 更新 | ||||||
甘南備山の枚方市側(西側)に扇池という美しい池があります。農業灌漑貯め池です。(なぜに扇池というのか不明) 目算で長さ100メートル、幅50mくらいでしょうか。山に囲まれて、上流部には湿地帯があり一周はできません。下流部の堰堤から尊延寺地区の農地が眼下に広がり眺めも良いところです。 |
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秋の扇池 | |||||||
甘南備山の登山コースからは外れているため、普段は人通りがありません。静かに澄んだ水面で、青サギが小魚を気長に狙っているのが唯一の賑やかしです。秋は紅葉が水面に映り込み、クマササが黄色くなって波打つようにざわざわという音をたてています。春には新緑の中のあちこちに、淡いピンク色した山ツツジがこの季節ばかりの自己主張をしています。 ところが、先日、山の中の斜面を降りて行ってたところ、いつになく池の周りが賑やかなのです。誰かな、と思いながら来てみると、十人くらいの若者達が釣りをしているのです。そう、ルアーフィッシィング。女の子達もいました。車では来れない、こんなところにまで進出してきているのに少なからず驚きました。 釣りをするなとは言いません(ホントはそう言いたい!!)が、ちゃんと節度を守って欲しいのです。テグスや擬餌は完全に持ち帰ること、ゴミを散らかさないこと、池の周りの植生を傷めないこと。アウトドアブームに乗った連中には、自然を守るという意識のかけらもなくて、こんなところまででしゃばって来る者がいかに多いことか。水中に放置されたワームからダイオキシンが溶け出していると言われたり、放置した糸に絡まって野鳥が悲しい死をとげたりすることが、社会問題化しているのに、何ら彼らに意識の向上が見られないと思うのは私だけでしょうか。新聞に、どこかに池の底にあの赤いワームが散乱している写真が掲載されていましたが、あれを見てなんとも思わないということが信じられません。 |
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春の扇池 | |||||||
上の写真程度の距離で見ると構成としての自然を楽しめるが、それは行楽的な自然の眺め方であって、願わくばもっと木や草に近寄ってミクロな自然を楽しみたいと思うと、がっかりすることも多い。つまり、生き物の密度が低く、踏み跡とお菓子の袋が散乱しているというように。 この池をここで紹介するつもりは、以前はなかったのです。こんな気持の良いところ、知られたくはなかった。でも、地図で池があると彼らはやってくる。隠しておくことはできない、ということに気が付いたのです。ならば、「来て欲しくない」ということを書いておきたい、という気分です。彼らの中に、自分は絶対にゴミを残していかないという人がいますか。でも擬餌が池の底にひっかかっても、必ず回収すると言い切れますか。それに、漁師を引き合いに出すのは卑怯です。自分の、軽薄な慰みのために自然を破壊し尽くすとことと、漁をすることとは目的が違うのです。 しつこく言いますが、釣りをするなとは言いません。ただ、あなたたちにネイチャーライフなんて言って欲しくない、そういう存在だということを自覚して楽しんで欲しい、できればここには来ないで欲しい、ということを言いたかったわけです。 いつもなら、扇池でおやつにするのですが、その日は立ち止まることもせずに暗い気持でそそくさと後にしました。 |
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